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BlogIsHowMuch

鑑賞した作品のレビューやプログラミング系のネタをダラダラ書いていくだけのブログ

白痴 (新潮文庫)

紹介

白痴 (新潮文庫)

白痴 (新潮文庫)

 

 

あらすじ

敗戦色濃い戦時下、映画会社で見習い演出家をしている伊沢は、蒲田の場末の商店街裏町の仕立屋の離れ小屋を借りて生活していた。伊沢は、時勢の流れしだいで右にでも左にでもどうにでもなるような映画会社の連中の言葉だけの空虚な自我や、実感や真実のない演出表現をよしとしている愚劣な魂に憎しみを覚えていたが、その一方、生活に困窮し、会社を首になるのを恐れていた。 ある晩、伊沢が遅く帰宅すると、隣家の気違いの女房で白痴の女が押入れの蒲団の横に隠れていた。何やらよく分らないこと呟いて怯えている女を、伊沢は一晩泊めてやることにしたが、女の分も寝床を敷いて寝かせても、電気を消してしばらく経つと女は戸口へうずくまった。伊沢が、手は出さないと紳士的と説き伏せても女は何度も隅にうずくまるので、伊沢は腹を立てたが、女の言うことを注意深く聞くと事態はあべこべだった。女は伊沢の愛情を目算に入れてやって来ていたのだった。伊沢が手を出さないため、自分が嫌われていると女は思ったのだった。 白痴の素直な心に驚き、伊沢は子供を眠らせるようにして枕元で一晩中、女の髪をなでた。一般の女につきものの生活の所帯じみた呪文の絡みつかない白痴の女は、自分向きの女のように伊沢には思われだした。その日からそのまま女はそこに住みつき、近所に知られないまま二人は同居した。白痴はただ伊沢の帰宅を待つ肉体であるにすぎず、そこにあるのは無自覚な肉欲のみだった。もう一つ伊沢に印象的だったのは、ある白昼の空襲の際におびえた白痴の恐怖と苦悶の相の見るに耐えぬ醜悪さだった。伊沢は3月10日の大空襲の焼跡で焼き鳥のような人間の屍を見ながら、白痴の女の死を願ったりした。 4月15日、伊沢の住む町にも大規模な空襲がやって来た。火の手が迫る中、仕立屋夫婦はリヤカーで逃げる際に伊沢も一緒にと急き立てたが、白痴の姿を見られたくない伊沢は、みんなが立ち去った後に女と逃げた。逃げる途中に伊沢が、「死ぬ時は、こうして、二人いっしょだよ。怖れるな。そして、俺から離れるな。…俺の肩にすがりついてくるがいい。わかったね」と言うと、女はこくんとうなずいた。その始めて表わした女の人間らしい意志に伊沢は感動し、火の海の中を懸命に逃げきり、ようやく小川を通って群集の休んでいる麦畑に出た。女はぐっすり眠りはじめ、豚のような鼾声をたてていた。女を置いて立ち去りたいと伊沢は思ったが、そうしたところで何の希望もない。夜が白みかけてきたら女と停車場を目ざして歩こう、はたして空は晴れて、俺と隣に並んだ豚の背中に太陽の光がそそぐだろうかと伊沢は考えていた。

きっかけ

 私のお気に入りのアニメの中に坂口安吾の作品を原案にした「UN-GO」という作品が あるので、興味をもった。

感想

 正直私みたいに日ごろから論理的なミステリー小説を好んで読んでいるものには難し い内容でした(^^;  しかも、舞台が戦争中のものがほとんどで、その時代のどんよりとした投げやりでど んよりとした雰囲気がありありと感じることのできる作品なので、どうも平和ボケした 世界を生きる私には肌に合わないところがありました。  一番私がこの作品について魅力的であると感じたところは、「堕落」というものを美 しいと感じさせているところです。戦争でなにもかも投げやりになりつつも、醜くとも 生きている。そんなどうしようもない人物たちを美しく書き上げている。そんな作品で した。  いまいち感想が薄いですがインパクトのある作品には間違いありません!

こんな人にオススメ!

  • 小奇麗な作品に飽きている人
  • 堕落に憧れのある人(笑)